Gコミ253 2016年12月号

木造建築のメリット

おとぎ話の「3匹のこぶた」では、わらで造った家と木で造った家は狼に吹き飛ばされ、末っ子の煉瓦造りの家だけは吹き飛ばされず、子豚は襲われずに済みました。

この話から、子供たちは木造より煉瓦や石、コンクリート造りの家の方が強くて安全だと思うでしょう。これは煉瓦造りの家が一般的なヨーロッパの話で、手間暇かけてしっかり造る事がいざという時に安全につながるという教訓です。とはいえ台風や火災に対して木よりコンクリートの方が強いと、普通はそう思いますよね。

しかし現在の物づくりは、良い部分を活かすために欠点を補う技術がとても進んでいて、構造による比較は単純には出来ません。特に私達が多く目にする木造に関しては、きちんと理解されていない事が多いと思います。

では、実際のところを簡単に比較してみます。建物には大きく分けて「木造」「鉄骨造」「RC造(鉄筋コンクリート)」の三つがあります。それぞれを性能面から比較をします。

【耐久性】法定耐用年数では木造は22年、鉄骨造は34年、RC造は47年となっています。材料の寿命は、木材は伐採から徐々に強度が上がり、200~400年で強度のピーク。コンクリートは数千年ですが、中の鉄筋がコンクリートの中性化によって腐食するので、コンクリート強度によって40~100年。

鉄は応力を受けるために起こる金属疲労の影響があり、一概には言えませんが30~60年。木造だけが法定耐用年数と大きな開きがありますが、それは木材の腐食が年々進むという前提で考えられているからです。しかし、気密・断熱化と正しい結露対策を行うと木材本来の寿命に近づき、他の構造より長持ちさせることが出来ます。

【耐震性】地震の倒壊率で圧倒的に多い木造ですが、特に多くの住宅の構造として用いられている木造二階建ては、昭和56年以前ではほぼ耐震規定が無く、年代によって耐震強度は大きく違ってきます。無対策の建物が多く残っているために被害が目立つと言えるでしょう。

低層のRCは揺れに対して非常に強く、鉄骨造は揺れることによって地震力を吸収し、高層建築に向いています。

当然木造でも強度を上げる検討を行えば他以上に強くする事が可能です。また前号で書いた制震との組み合わせで、他構造よりも安いコストで揺れにくい建物を造る事が出来ます。もちろんRC造も鉄骨造も構造強度は計算次第でより強く出来るので、耐震性の比較は構造の種類よりも地震対策次第という事になります。

【価格】一般的な価格で安い順に、木造>鉄骨>RCです。

【断熱・省エネ性】どの構造も対策次第ですが、講じる対策の容易さは木造>鉄骨>RCです。

【耐火性】燃える素材である木造だけが不利に思われますが、鉄は急に変形して崩れ落ちるので鉄骨造も火に強いとは言い切れません。木造も耐火の技術が進んでいて、4階建てまで建てられる1時間耐火の木造耐火建築物があり、RCや鉄骨造が向かない狭小地や軟弱地盤地域で注目されています。また今後の日本の木造高層化の為に、2時間耐火が必要な構造木造建築も開発が進められています。

【設計自由度】RCが一番ですが、極端な形状でなければ在来木造も自由度が高く、デメリットにはなりません。鉄骨造は単純な形状においてコストパフォーマンスに優れ、変形させていくとどんどん高価になります。近年中大規模建築の木造化が進み、大きなスパンを使った大空間を造る事が木造でも出来るようになりました。

【環境性】木造がダントツです。木材はほとんどチップ材等にリサイクルされ、炭素の蓄積量がとても多いので、CO2排出量が極めて少ない構造です。鉄は100%リサイクル可能ですが、製造時とリサイクル時に高熱を使いCO2を多く排出します。コンクリートはリサイクルが容易ではなくセメントの製造時に熱も使います。

他の構造と比べて使用量がはるかに多い事からCO2排出量はトップです。この環境性の観点から現在低層の公共建築物はRCや鉄骨造から木造へシフトしています。

【室内環境】快適性においては断熱・省エネ性と同様です。健康面では耐久性と同じく結露の問題が大きく、対策の立てやすさから木造がトップ、続いて鉄骨造です。RC造は蓄熱量がとても大きいために結露対策が難しい構造です。近年では結露や耐久性に優れる外断熱工法のRCマンションがありますが、二重に外壁を作るため高価になるので思ったほど普及していません。

【耐風性】木造は法律で地域によって対風圧強度が決められているので安全と言いたいところですが、竜巻で家ごと飛ばされていましたね。重量級で一体型構造のRCが断然有利でしょう。

【対津波】木造でも強度が強く残った建物もありますが、RCには負けます。鉄骨造は木造よりは残りましたが被害は様々でした。

比較すると、特に木造はやり方次第で大きく性能が違ってくる事がわかります。

性能をきちんと決めて対策を立てれば、特に木造だからというデメリットがほとんど無い、木造本来のメリットを活かした建物が出来ます。またそれぞれの性能を高める事が比較的やりやすい工法だとも言えます。

デメリットは竜巻と津波ですが、これに木造で立ち向かうためには多大な資金が必要になるので、そこは早期避難の心がけと損害保険に頼って木造本来のメリットの恩恵を受けた方が良いと思います。

あと、もしも売る事を考えるのであれば【資産価値】の比較もしなければなりません。

耐久性で書いた法定耐用年数が資産価値の指標になっています。という事は木造は20年でほぼゼロですが、性能を高めればRCよりも持つはずなのにおかしいと思いませんか。木造の減価償却期間は、持たないというイメージを利用した税収アップと経済活性化の為のルールです。

なので実際は長く使える高性能住宅でも値は付かず担保も付きません。しかし今は中古住宅流通の促進の観点からその部分が大きく変わってきています。

以上、比較をしながら木造のメリットデメリットを書きましたが、もともと日本の気候風土にあった木造建築が今環境問題の面から大きく見直され、あらたな技術が開発され支援も行われています。それによって今木造建築のメリットはどんどん高くなるので、木造建築はとてもメリットが大きいと思います。

代表取締役 鈴木 晴之

一般消費材から産業材までのあらゆる「エコプロダクツ」が紹介されます。
地球環境に与える影響を少なくした製品・サービス=「エコプロダクツ」。

人間をはじめ、様々な生物の命をはぐくむ地球を次世代につなげていくために、私たち自身が地球の「未来」を想い、環境問題解決を目指したビジネスや技術を開発し持続可能な社会や地域づくり自然と共生できる暮らし方について、「今」問い直し行動していくことが大切です。

子供から大人まで楽しめ環境を考える展示会です。ご家族連れでお出かけください。

災害対策用品 ブルーシート250枚を作業場にストック

お花見などの催し物に敷物としてお馴染みのブルーシートが阪神・淡路大震災では、避難所の設営、破壊された屋根の雨漏り対策などに使われ役立っています。また、台風・突風などで屋根が破損した際の応急処置的にも利用されています。

防災時の必需品になっているブルーシートを弊社の作業場に備蓄しました。「備えあれば憂いなし」必要な時はお声かけください。

当社の年末年始休業期間のお知らせ

12月29日(木)~1月5日(木)

給湯器やエアコン、排水が流れにくいなど、気になる箇所がございましたら早めにご連絡ください。
今のうちに直しておきましょう。

12月に大和工務店で行う教室

☆荷造り紙バンドを使ったかご作り
日時:14日(水) 17日(土)  午後1:30~
費用:900円(かご1~2ヶ作れます)※ 当日のお申込みも受け付けます。

☆パッチワーク教室
日時:10日(土) 13日(火)   午後1:30~
費用:1ヶ月 300円(お茶代等)※ 前日までにお申し込み下さい。

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