Gコミ249 2016年08月号

入浴における良好な温熱環境とは

住宅の温熱環境の調査や研究が、健康という観点から進められています。私自身ある委員会での温熱環境の調査に関する会議に参加する事になり、話しを聞いてきました。

内容は、お風呂場での事故を無くすためにどのような環境を作る事が良いのか。大和工務店が普段建てている高気密高断熱住宅と断熱リフォームを行なう事が解決策と思って参加しできたのですが、更に奥が深かったので少し内容をご紹介します。

暖房されたリビングから、寒い廊下を通って脱衣室・浴室やトイレへ行ときに、温度差によるダメージによって事故が起こるという事は理解していましたが、単に寒くなければ良いのではなく、それぞれの温度差が最も重要だというのです。

確かに脱衣室は服を脱ぎ、浴室では肌が濡れ、浴槽に入ると体が温まり、温まった体で脱衣室に出る。それぞれの場所が同じ温度であっても体に感じる体感温度は全く違うというわけです。

また、浴槽のお湯の温度に問題があり、熱いお湯につかる人ほど事故につながる確率が高いそうです。そのお湯の設定温度は個人差よりもリビングの気温による影響が大きく、リビングが暖かければ浴槽のお湯はぬるめ、寒ければ熱め、といった具合になるそうです。

熱いお湯につかりたいと思うのは日本の風習だけでなく、体が冷える事による欲求から来るので、まずリビングや居室を暖かくする事、次にお風呂場までの経路を暖かくする事が浴室の事故を減らすために気を付ける事だと言います。

理想は全館冷暖房が出来るような断熱性能にして、それぞれの場所で暖房の調節をおこなえる設備を設置する事となりますが、部分的な断熱改善と生活上の注意でも、ある程度防ぐ事が出来そうです。

解りにくかったのは、風呂場廻りで健康な温度を保つという事が必ずしも快適な温度と同じではないと言うのです。普段の生活の適温が何度で、それぞれの目的の場所同士の良好な温度差が何度なのか今後の研究結果を見てみたいと思います。

参考ですが、ある地域で入浴事故によって救急車で運ばれた人たちの調査結果です。心肺停止はほぼ浴槽内で起きています。生存者のうち脳出血の割合は1割未満、急性心筋梗塞は1%未満と意外と少なく、それ以外の人は高体温で意識が薄い症状。

病院に付く頃に正常体温に戻る事から「熱いお湯に長時間浸かった事による熱中症」であろうとの事です。 とにかくお風呂のお湯の温度は低めに設定する事。そして体が冷えないようにそれぞれに小さな暖房機を置き、リビングの暖房を調節する事。これがすぐに出来る対策のようです。

代表取締役 鈴木 晴之

違法伐採という社会問題と日本のかかわり

私達工務店にとって、木材は大変重要な資材です。良い木を選定して部材に応じて使い分ける事だけでなく、地域の木や故郷の木を使ったりと、産地を選んだり生産者まで指定する事もあり、木材の選定は家づくりにとってとても大事な事です。

どこの山で誰が伐採し、だれが製材し、端材は何になって、削ったおがくずはどのように使われて・・・というように日本の木材はきちんと管理されていて、買う方は安心して木材を選ぶ事が出来ます。

日本の山は当然のことながらむやみに木を伐採する事は出来ず、山を持っている林業家であっても山の経営計画の届け出や伐採の事前申請が必要になります。人々が暮らす為の自然環境や景観を守るために、個々の所有者が適切な山の管理を行って保全されるように国と自治体が管理を行っているのです。このように管理され伐採された木材を「合法木材」と言って、日本産の木材はほぼこれにあたります。

一方で違法に伐採された非合法の木材が大きな社会問題になっています。違法伐採が何の問題を引き起こすかというと、自然を破壊し生態系を狂わせ、自然災害を招いて地球環境に悪影響を及ぼす事です。特に違法伐採が多いとされている国は、東南アジア(インドネシア、マレーシア等)ロシア、アフリカの一部、ブラジルなどです。実はこの社会問題に日本は大きくかかわっているといいます。

マレーシア最大の州であるサラワクという地域の違法伐採が特に今大きな問題になっています。理由は汚職による違法伐採が、止まることのない先住民の土地収奪と環境破壊を起こしている事です。国や自治体が主導して行われているために、まったく規制されずに州全体に蔓延し無秩序に伐採が行われています。今では全く手つかずの自然林は5%しか残っていないと言われるほどです。

サラワクには多くの先住民が生活をしていて、100%森林に依存する生活文化を維持していました。彼らは集落を形成し移動耕作をしながら狩りや漁を行い、生計、住居、食糧、文化の全てが森林によって成り立っていました。しかし伐採によって次々と生活拠点を奪われ、食糧や飲み水を奪われ、定住を余儀なくされた上、健康な生活が出来なくなっています。また森では熱帯林に守られていた絶滅危惧種のオランウータンやゾウ、サイなどが生活の場を次々と奪われています。

サラワクの自然林で伐採された木材は主に合板として輸出されます。伐採されたあとはアブラヤシや、アカシアの農園を次々と作って、再び二次収穫をします。アブラヤシは実から豊富に採れるパームオイルの輸出が伸びていて、アカシアはパルプとして新興国に高い需要があり、いずれも国や伐採業者にとっては優れた商品になっています。

しかし、アブラヤシやアカシアの植林では元の森林に戻る事は無く、また持続可能な森林として管理する事も出来ないといわれています。それどころか水質汚染や地盤沈下、気候変動まで引き起こす要因になり、当然の事ながらその環境では先住民はとても暮らしていくことなど出来ません。それでも国と業者の癒着によって未だ止まる兆しは無く、サラワクに行って国道を走ると大型重機が休まず伐採し、大型トラックが数十台並んで運んでいく光景が誰でも簡単に見る事が出来るそうです。

このような違法伐採を国が規制出来ないのであれば、伐採業者から資材を買わなければ良いし、買う方も責任があると考えるのは当然です。しかし残念な事にサラワク産の木材の主要な輸出先は日本なのです。日本はどの国よりもサラワク産の合板を輸入していて、その主な用途は私達住宅産業の資材であるフローリング、下地用合板、コンクリートの型枠合板として使われているといいます。

この問題から、「違法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律」が今年成立しました。今までは政府調達の木材だけが違法か合法かの確認義務があったのですが、いよいよ民間にも確認義務が課せられるようになりました。しかしこの法律は任意の登録制で、登録していない会社には確認義務は課せられないため、完全に違法材の流入を停める事は出来ません。

更に合板を使う私達工務店や建築会社は、当面輸入している会社を信用するしか無いという事も現実的な課題となるでしょう。サラワク産の場合は現状では違法か合法かを判断する手立てが無いと言われています。

熱帯林と世界の森林破壊問題に取り組む環境保護団 JATAN(熱帯林行動ネットワーク)は、輸入会社が判断出来ないのであれば、第三者によって合法、持続可能なものであり、汚職、人権侵害に関与していない事が証明されるまでサラワクからの木材調達を停める事を訴えています。

最近は国産桧の構造用合板やフローリングが作られています。国産の合板用の木材は一般建築材と違いランクの低い材、つまり合板にしか使えないものを使っていて輸入材とほぼ同等の価格のものが多くなっています。しかし資材の絶対量が少ない事と、狂いの面と厚さの制約があるために完全に熱帯林の合板から移行する事は出来ません。

これらの合板を使う時に私達が出来る事は、常に意識して、使う合板が合法材なのかを確認する事だと思います。合板はとても便利な材料であり様々な所に使われています。全てを確認する事は難しいことだと思いますが、出来るところからやっていく事で少しでも問題を減らす事が出来ればと思います。

代表取締役 鈴木 晴之

☆当社の夏季休業のお知らせ

8月11日(木)~8月16日(火)

ご不便をお掛けすることもあるかと思いますが、宜しくお願いします。

8月に大和工務店で行う教室

☆荷造り紙バンドを使ったかご作り
日時:10日(水) 20日(土)  午後1:30~
費用:900円(かご1~2ヶ作れます)
※夏休みの工作の宿題にも最適です。親子でご参加ください。
当日のお申込みも受け付けます。

☆パッチワーク教室
日時:9日(火)  23日(火)  午後1:30~
費用:1ヶ月 300円
※ 前日までにお申し込み下さい。

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