Gコミ248 2016年07月号

熊本地震から見る木造住宅の耐震基準への疑問

木造住宅の耐震性に対する考え方に問題は無いかという疑問が浮かび上がって来ています。4月16日に発生した熊本地震では、耐震性の低い古い建物ばかりではなく、仕様が大きく変わった昭和56年以降の新耐震基準後の建物が多く倒壊し、更に阪神大震災を受けて改正された平成12年以降の建物もいくつか倒壊しています。震災後のいくつかの検証から今の耐震基準ではたして良いのだろうかという事が問題提起されているのです。

現在熊本地震について様々な視察や検証が行われている中で、ある程度分かった事を私なりに以下に書いてみました。

今回の地震には特徴があり、震度7クラスの地震が2回、しかも後の方が大きいという今までに無かった揺れが観測されています。これによって、最初の地震では持ちこたえた建物も、二度目の地震で倒壊に至った事例が多かったようです。

これが今までの地震とは大きな違いです。そして今まであまり見られなかった、新しい耐震基準を満たした建物の倒壊。今後こういった地震が無いとは限らない事を考えると、新築住宅の建て方や、耐震補強を行うかの判断を今まで以上に慎重に行っていく必要があるでしょう。

耐震補強については、自治体から助成金が出る「昭和56年以前の建物」かどうかが大まかな判断材料だったのに対し、今回の結果を踏まえると、平成12年の改正前か後かで判断すべきだと思います。改正のきっかけとなった阪神大震災では、柱の引抜金物(ホールダウン金物など)と、耐力壁のバランスがいかに重要であるかが証明されています。

その他にどこを見れば良いかというと、一つは耐震性(耐力壁の量)に余裕があるか建築基準法ぎりぎりか、もう一つは基準通りの施工がなされているかです。今回倒壊した建物の中にはこの二つの要因も多く見られたそうです。自分の家がどうなのかを知るには、建てた建築会社に聞くか、耐震診断を行うとある程度判ります。

今まで我が家は新しいから大丈夫だと考えていたのに、熊本地震の報道などで不安視する世帯が増えていると聞きます。しかし今回は地震の特徴の他に被災地の地域の特徴があって、そのまま受け取るのもある意味間違いのようです。熊本という地域はかつて大きな地震がいくつもあったのですが、マグニチュードの数値でいうと小さく、耐震性を計算する時に使う地震係数(過去の地震の大きさによって決まる)が小さいのです。

新築時でも建物強度は建築基準法の9掛けで良い事になります。つまりその通りに建てると東京より1割弱い家になるのです。しかし熊本の過去の地震の多くは震源の浅い直下型で、数値の割に大きな被害を受けているそうです。震災の視察を行った耐震の専門家よると、熊本は今回のような地震に対してもっと対策をとっていなければならない地域だと言います。

震災後に建設が進んでいる仮設住宅にも特徴がありました。

今回は木造の応急仮設住宅が今まで以上に多く建てられています。東日本大震災後、全国で木造仮設を建てるための災害協定を結び、準備が整って来た事があげられますが、なんといっても木造の仮設住宅の快適性がプレハブよりはるかに良いと評価された事が大きかったようです。

震災直後に木造仮設を建てさせてほしいと県に訴えた全国木造建設事業協会(全木協)は、最初は10棟程度と言われていたのが、現在は自治体側から是非木造にしてほしいと、次々に要請を受けています。観光地としての阿蘇では、木造でなければダメと、美観的な面も評価されているようです。

プレハブ仮設が今までとほぼ変わらない仕様である一方、全木協含め3団体の木造応急仮設建築グループでは、余震に対しての耐震性向上のために木杭からコンクリートの基礎に変えるなど、地域特有の仕様にグレードアップしています。

特に全木協では、ZEH(ゼロエネルギーハウス)同等の断熱性能を持たせ、被災地のエネルギー負荷の低減と高い快適性を実現させています。

現地の工務店経営者でもある全木協の代表者は、「被災された方にとって仕方なく住む仮設住宅であっても、その間、少しでも早く出たいと思うような建物には絶対にしたくない」と語っていました。同じ被災者でありながら、家を失った方に少しでも安らぎを感じてほしいという心遣いはさすがだと思いました。

全木協は地域ごとの団体なので、東京では全木協東京の主幹事である大和工務店も動く事になります。熊本の実績を参考に、万が一東京で起こった場合に備えたいと思います。

代表取締役 鈴木 晴之

全木協熊本 エバーフィールド久原社長ブログ(頑張っている様子が見られます。)
http://ever-field.com/pblog/blog/

新しい壁の仕上げ材を見つけました。海と太陽のめぐみ

牡蠣殻の貝灰を使った漆喰に光触媒の酸化チタンを組み合わせた製品で、自然素材としての漆喰の良さ(調湿作用)と、酸化チタンによる抗菌作用や化学物質の分解作用にこだわった製品です。

珪藻土を使った壁材が沢山市販されていますが、吸着したホルムアルデヒド等の化学物質を分解することができないためいずれ飽和状態になり、調湿機能は残りますが化学物質は吸着しなくなってしまいます。

また珪藻土は壁材としては塗りにくいため、塗りやすくするために沢山の混ぜ物をしています。
珪藻土の含有量が多いと壁が柔らかくなり落ちやすいという欠点もありました。このために壁材に占める珪藻土の含有量は数パーセントというものまであり、珪藻土が持っている本来の性能を発揮できていない製品も沢山あります。

ケンコートという石膏プラスターがありますが、性能は良いし価格も安いのですが、施工性が珪藻土と同じように悪いのと仕上がりが綺麗に出来ないことがあるので左官屋さんが嫌がります。

牡蠣殻の漆喰は、牡蠣の貝灰と“つのまた”という海藻から獲る糊と割れを防止するために使う“すさ”だけで100%自然素材でできており、酸化チタンも化粧品や歯磨きなどにも使われる安全な鉱物ですので安全性にも問題はありませんし、基本は漆喰ですから施工性も良く左官屋さんが嫌がりません。

性能も表のようにかなり良い性能を示しています。

まだ欠点もあります。まず価格が高いことです、酸化チタンは高価なものらしく材料代のほとんどが酸化チタンの価格のようです。
しかし、ここまでの性能は無くても良い場面は沢山あると思いますので価格の安い製品を考えてもらっています。もう少し使いやすい価格のものが出来ることを願っています。

化学物質やダニ・カビにアレルギーのある人の対策として家の改修を考えるならば、壁材を変えるだけで出来る対策なので、比較的安価に対応ができると考えています。

取りあえず弊社のトイレに使ってみて消臭作用にどの程度効果があるかを試してみます、効果のほどはまた報告いたします。(後関)

電話予約制・先着順(無料)

日時: 2015年7月9日(土)13:00〜17:00
会場: 東京建築士会 4階・会議室
〒104-6214 東京都中央区晴海1-8-12 トリトンスクエアー
オフィスタワー Z 4階・会議室
お問い合わせ TEL 03-3536-7711 FAX 03-3536-7712

建築士と弁護士が行う建築相談会の主旨

欠陥建築の被害を未然に防ぐため、建築の全般的相談、法律的な相談に対して建築士と弁護士が同席の上相談をお受けいたします。
URL http://www.tokyokenchikushikai.or.jp

東京建築士会へのアクセス

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晴海通りを銀座から晴海方向に向かい、晴海三丁目交差点を左折すると左側に見えてくるトリトン・パーキング(有料)入口。豊洲方面から晴海橋をわたり2つ目の信号を右折すると、駐車場入口

7月に大和工務店で行う教室

☆荷造り紙バンドを使ったかご作り
日時:13日(水) 18日(土)  午後1:30~
費用:900円(かご1~2ヶ作れます)
※ 当日のお申込みも受け付けます。

☆パッチワーク教室
日時:9日(土) 12日(火) 26日(火)  午後1:30~
費用:1ヶ月 300円(コピー代等)
※ 前日までにお申し込み下さい。

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